笠沙美術館(黒瀬展望ミュージアム)
鹿児島県南さつま市笠沙。
東シナ海を望む高台に建つ笠沙美術館は、大きなガラス窓越しに広がる海と空の景色がまるで一枚の絵画のように見える場所です。
額縁のような巨大なガラス窓から見える海や空の景色が、「詩的な世界観」としてSNSで話題になっています。
その美しい景色を背景に、私のオリジナル曲『夕日の日照る国 ~木花咲耶姫~』の歌詞が展示されています。
この作品を書いてくださったのは、福岡を拠点に全国で活動されている智書(さとりしょ)の家元、智ちゃん先生。
智書は、文字の上手下手や書き順にとらわれず、筆ペン一本で心を自由に表現する書です。まるで絵を描くように想いを伝えるその作品は、多くの人の心を癒し、全国各地で親しまれています。
当時、笠沙美術館で開催された智ちゃん先生の個展の中で、館長様のご依頼により、私の歌詞を書いてくださることになりました。
私自身は後になってその経緯を知ったのですが、完成した作品を初めて見た時、とても驚きました。
ガラスに描かれた言葉の向こうには、笠沙の海。
朝日が昇り、夕日が沈み、季節ごとに表情を変える空。
まるで歌詞と風景がひとつになったような、不思議な空間がそこに広がっていたのです。
『夕日の日照る国』という歌
『夕日の日照る国 ~木花咲耶姫~』は、2021年リリースのアルバム『神話のゆりかご』に収録されている楽曲です。
この歌の題名は、古事記に記されたニニギノミコトの国見の言葉に由来しています。
「此地は、韓国を向ひ、笠沙の御前に真来通りて、朝日の直刺す国、夕日の日照る国なり。故、此地は甚吉き地。」
天孫降臨したニニギノミコトが、この地を見て「朝日も夕日も美しく照らす素晴らしい国だ」と称えたと伝えられています。
私はこの言葉に強く心を動かされ、『夕日の日照る国』という楽曲を生み出しました。
神話が息づく笠沙
笠沙は、日本神話においてニニギノミコトとコノハナサクヤヒメが出会った地として伝えられています。
黒瀬海岸、野間神社、竹屋神社、笠沙宮ゆかりの地など、この地域には今も数多くの神話の舞台が残されています。
また、私が制作した「神話のゆりかご」シリーズでは、コノハナサクヤヒメ、豊玉姫、玉依姫という三姫をテーマに楽曲を制作しています。
その物語の原点ともいえる場所が、この笠沙なのです。
これから
現在、笠沙美術館では、この歌詞作品と連動した語りの企画も進めています。
神話を知らない方にも、景色を楽しみながら物語に触れていただけるような形を目指しています。
笠沙を訪れた際には、ぜひガラス越しに広がる海と空を眺めながら、『夕日の日照る国』の世界に耳を傾けてみてください。
そこにはきっと、神話と風景、そして歌が重なり合う特別な時間が流れているはずです。


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